折込チラシ デザイン/DTP
- Type
- 新聞折込チラシ
- Scope
- Design / Art Direction / DTP Oparation
OUTLINE
1998年から約8年は印刷会社でデザイナーをしていました。くしくもアナログ製版からDTPへの変換期であり、私が入社した会社もその年から本格的にDTP制作に取り掛かる事となりました。それまでの現場はアシスタントからはじめ、組版や刷版などの経験も経て、最終的にデザイナーになれるかどうか…のような先の長い話が普通であり、そういった意味では全ての内製環境が整っていたこの会社に入社することはグラフィックデザイナーを目指すには恵まれた環境であったと言えます。私自身も覚悟を決めて、10年は下積み生活のつもりでスタートしました。
年功序列というか、経験値がものをいう世界だと聞いていたので、入社当初は私達のような新人はデザイナーさんと話をすることも許されないのではないかと考えていましたが、幸か不幸かその年から始まったDTPに私もいっせーのせで参加することができたため、業界特有の厳しい上下関係を強いられることなく、非常に楽しく作業ができたと記憶しています。
当時はのMacは、DTPがこなせるまともなスペックとアプリケーションやフォントを含めると、1台100万〜という金額で、皮肉も含めて「借金トッシュ」なんて呼ばれていました。高額な割にフリーズは日常茶飯事で、社会人になってはじめて体が覚えたことが「コマンドS」の指使い。重いデータの処理には一昼夜かかる事もざらで、プリンタに出力したらランチに出かける…なんて事も今では良い思い出です。
ここにあげた作品は、当時作成したチラシデザインの一部です。さすがにデザインのテイストには年代を感じますが、「シンプル」とか「フラット」などというデザイナーにとってはある意味『救い文句』となる概念が無かった時代に、決められた寸法の紙面の中で伝わりやすさを考えて情報設計し、自分らしい表現でアウトプットしていた当時の方が、デザイナーとしてはスキルが高かったのではないかとすら感じます。
コンピュータの進化の速さに比例してDTPの普及も早まりました。取得に数年から数十年かかるといわれたグラデーションなどの表現も、ドラッグ1つで実現でき、何度でもやり直せる。伝統工芸のように長い時間を掛けて技術を取得していく世界観もとても素晴らしいと思っていますが、頭に浮かんだアイデアを指示書やラフを書く時間を使ってすぐに作れてしまう事が、私にとってはなによりありがたいのです。
最近はチラシを作成する事はなくなりましたが、時折昔の作品を振り返って、言い訳せずに頑張っていたあの頃の気持ちを思い起こしています。


























