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マーケティング企業 ノベルティ「帰巣銭」

Category
コンペ・提案 / その他
Type
ノベルティ提案/グッズ制作
Scope
Art Direction / Design / Planning

OUTLINE

同社が新卒説明会で参加者に配るノベルティの相談がきました。通常ですとクリアファイルやマウスパッドなどが多いと思いますが、そういうものは大抵家に着くと捨てられてしまいます。貰った参加者のこころに残るノベルティとは?そんな事をプランナーと考え提案しました。
ノベルティグッズの選択では「貰って嬉しいもの」をベースに考える事が多いですが、今回は視点を変えて「捨てづらいもの」をベースに考えました。物理的にというよりは心理的に捨てづらいものを考えた時に、浮かんできたのが「お守り」だったわけです(笑)
こちらは実際に採用され、セミナー参加者にノベルティとして配布されました。中に入る5円玉も、経営者の方々に実際に銭洗弁天まで参拝して頂き、自らの手で清めたものを一つひとつ手作業で封入してして頂きました。

帰巣銭デザイン

アイディアメモ
ここに書かれているテキストは、当時私が考えを纏めるために殴り書きしたメモです。 普段からこんな事をブツブツとつぶやきながらアイディアを纏めています。

【せんべつ】
餞別とは、「お土産はいらないから」と言って旅行者に渡されるお土産の代金。日本の旅行者は、現地でお土産を購入するまでそのお金の呪縛から解放されない。
餞別という文字は、「別れの銭」という意味で、本来別れのしるしとして相手に渡す金銭である。旅行が長い別れになり、ときには永遠の別れになってしまうかもしれない時代の風習であり、餞別には旅の安全を祈願する意味がこめられていたが、万が一あの世へ旅立ってしまった場合にも地獄の鬼に賄賂として渡す用途も含まれていたに違いない。
昔の旅でも帰りを待っている人々への土産はつきものであったが、ほんの数日で帰ってきてしまう現代の旅行では、別れのしるしや安全祈願という意味合いが失われ、餞別は土産を買うくらいしか能のないお金になっているのである。
一方、海外出張する社員に同僚が餞別を渡すことがあるが、この場合は「二度と帰ってくるな」という、本来の「別れの銭」として渡されるのである。
かつての旅は道中にさまざまな苦難を伴うものであったことから,餞別は単なる別れの印あるいは金銭的援助として贈られるだけでなく,大勢の者の合力によって旅の安全を願う意味も込められていた。
餞別の習慣はかなり古くから存在した。「餞〔はなむけ〕」という言葉は本来「馬の鼻向け」という意味で、旅立つ人の目的とする方向へ見送る人が所有する馬の鼻を向けてその安全を祈ったことに由来する。

【モチーフ】
→馬(キャラ)、もしくは馬をイメージさせるもの「蹄鉄」など。
社名であるバレット(弾丸)とコラボして西部劇的イメージとも合致する。

【キャッチコピー】
「戻ってくる弾丸」
「Homecoming bullet」みたいなものはどうだろう?
「また帰ってこいよ」の意味を込めたい。

「お金」=「実弾」という人もいる。加えて海外の大学とかにある「ホームカミング」というイベントは、卒業生が集うイベントらしい。

帰巣本能
homing instinct
Homecoming instinct

●「融通金」ならぬ「帰巣銭」

海外には「餞別」という風習は無い。
場合によっては「もう帰ってくるな」「永遠のお別れ(手切れ金)」みたいにとらわれてしまう場合もある。ここは「逆に」新しい文化を提案する勢いが必要なのでは?

この贈り物は…
①これから旅立とうとする人への「餞〔はなむけ〕」である。

②いろんな人に出会って助けてもらえるように…という願い(祈願)

③もまれて一回り大きくなってかえって来い!という願い

以上が込められた「お守り」である。

【まとめ】
これは「ホームカミング・バレット(帰巣銭)」と呼ばれ、旅立つ人への幸運のお守りとして、2015年から世界中に広まる事になる
→新しい文化が生まれる。

広めたのは「バレットグループ」という日本の企業である。

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※Homecoming
海外の大学には「ホームカミング・デイ」ってのがあって、巣立った生徒たちが再び成長して大学に戻ってくるイベント。

※Bullet
弾。
よく「お金」のことを「実弾」っていうじゃないですか?
なので、そのへんをモジってみました。